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#8 『学び合い』理科の時間にどうやって子どもに任せるか【前編】

『学び合い』に本格的に取り組み始めて約3年が経ちました。 

 

一応理科を専門的(?)に学んできたので、理科でも『学び合い』をしたいと思っていました。

 

 

でも、理科の『学び合い』ってどうやったらいいんだろう?

 

 

理科の授業でよくあるのは(私がこれまでの研究授業などでよく見た形)

 

【導入】興味を引きつける面白実験をする。

【予想】教師主導で予想を立てる。たまに議論をする。

【実験方法】 安全指導をしないといけないから、教師から伝達の形になる。

【実験】子どもたちで楽しく実験する。(←子どもに任せる時間)

【結果の整理】前にまとめた表などを全体で確認する。

【考察】まずは一人で、あとで全体交流する。たまにキーワードで考えたりもする。

【まとめ】子どもの言葉 or 教師の言葉でまとめる

 

こんな感じではないでしょうか?私もずっとこのような流れでやっていました。

 

もっと子どもに任せる時間を増やしたいけど、実験計画では安全指導をしないと事故が起きたら大変だし、結果はみんなで確認しないと客観性が高められないし・・・とか考えてたら

 

「結局子どもに任せられるのって実験だけやん!」

 

と迷宮入りして、2年間は理科の『学び合い』ができませんでした。

 

 

 

そんなときに、阿部隆幸さん・ちょんせいこさんの先生の本に出会い、関所を設ける『学び合い』の存在を知ったのです。 

『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる!

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一般的な『学び合い』がこんな感じだったら

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関所を設ける『学び合い』はこんな感じです↓ 

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修学旅行などでよく行う「フィールドワーク」的なイメージですね。

 


「はいどうぞ」、だけが『学び合い』だと思っていたときには思いつかなかった発想。

阿部隆幸さんによると、「実験前に関所を設けるとよい」とのこと。

確かにそうすれば、一番ネックになっている安全指導もクリアできる!

 

 

ちょうど同じ時期に読んでいた、前田康裕さんの本に、「パフォーマンス評価」やその評価基準である「ルーブリック」のことが載っていて、この2つをかけ合わせれば、自分にも理科の時間に『学び合い』ができる!と思いました。

まんがで知る教師の学び2――アクティブ・ラーニングとは何か

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この1年間、私がやってきた理科の授業の流れは、ざっくりこんな感じです↓↓↓

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実験計画〜考察が終わるまでの時間は、子どもに任せる時間です。

以前の自分の授業よりも、子どもに任せる時間が格段に増えました!(やったー!)

 

 

 


では、順を追って、少し詳しく説明します。

 

導入と予想はサクッと終わらせます


その後、班で実験計画を立てて、ノートにまとめます。ノートにまとめ終わった班は、「先生チェック(パフォーマンス課題)」に挑戦し、合格した班から実験をします。

 

 

実験計画を立てる前に

「先生チェックでは、班の中から一人当てます。その人が、班に1枚配っているルーブリックのA以上の説明できたら合格です。ちなみに、一番自信なさそうな人に当てるので、班の全員がわかるように話し合ってから来てね♪」

と言います。

 

 

使用するルーブリックはこれ↓↓↓

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4月の最初の2回の授業で、試しに実験計画を自分達で立てさせて説明させたときの子どもの実態から作ったものです。バタバタで作ったものなので、改良の余地ありですね。

(改善案は後編で)

 

 

実験の計画を立てるときの基本ルールは
・教科書はいつ見てもよい
・教科書以外の方法でもよい(ただし、検証可能で、準備できることが前提)
・実験器具を自由に扱ってよい
です。

 

一番自信のなさそうな人が当てられるので、みんな「なぜその実験方法なのか」を必死で考えます。

 

 

先生チェックに見事合格した班は、実験へ

 

 

みんなが実験している間に、私は黒板に全班分の結果が一目でわかるような表を書きます。

 

実験が終わった班は、黒板に結果を書きにきます。

例えばこんな感じ その1↓(これは板書計画の写真なので、子どもの字ではないですね)

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例えばこんな感じ その2↓(プロペラは「ついた」ではなかったですね。適当ですみません。)

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これをするだけで、わざわざ全体で結果の確認をする必要がなくなります。

(違う結果になった班があったときは、大抵「自分たちで気づいて実験をやりなおす」 or 「他の班が気づいて、議論&実験のやりなおしをする」のどちらかに落ち着きます)

 

 

 


実験が終わり、片付けも終わった班は考察を書きます。

 

考察を書くときは、このルーブリックを使います。

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佐々木昭弘さんの著書にある、「結果」と「考察」の違いを参考に、B評価とA評価の基準を設定しました。

佐々木昭弘の理科授業 これだけは身につけたい指導の技45

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また、A基準に+α(新たな疑問・日常生活との関わり・他の事象への適用)が書けていたらS評価にしました。


・・・これもバタバタ作ったものなので要改善ですね。(これも改善案は後編で)

 

 

考察を書き終わったら、友達から2人に評価(サイン)をもらって課題達成!

という流れです。

 

 

こんな感じでやってみたら、理科の時間の「子どもに任せる時間」を増やすことができました。

 

後編では、取り組んでよかったことや改善したいところなどを書いていきます!