#9 『学び合い』理科の時間にどうやって子どもに任せるか【後編】
前回の続きです。↑こんな感じで、1年間理科の『学び合い』やりました。
前編をご覧になってない方は、先にこちらを
【やってみて、よかったこと】
①ルーブリックで基準を示し、「全員が実験方法を説明できる」や「全員が考察を書ける」を求めたことにより、教科書通りの流しでも(問題の工夫・面白実験・過度な実験準備などをしなくても)1年間主体的・協働的に学べた。
→いつも、理科の研究授業見てきて、 すーっごく工夫された教具( いったい準備に何時間かかったんだろう…というもの) をたくさん見てきたのですが、 他の先生がその授業を再現できないことに違和感を感じていました。教科書通りの内容で意欲的に学べるものになったので、 よかった。
教材研究の時間も短縮(!?)
②実験計画を徹底的に話し合うことで、実験器具の準備・片付けを、子どもだけでできるようになる & 実験中の「 お客さん」が減る。
→これまでの自分の理科の授業は、実験の前にたくさん指示を出したり、実験が始まってから「ストーップ!!言い忘れたことがありました!」と作業を止めたりすることが多々ありました。でも、今回は、子どもたちが実験の計画を立てて、その流れを説明できるようにするので、「次何するんですかー?」などの質問が減りました。準備片付けも自ら進んでやってくれるので、教員の負担軽減にも繋がりました。
③ルーブリックによって基準が明確になることで、『学び合い』をしていない他のクラスでも「全員達成」を目指すことができた。
→うちの学校は、学年の先生で教科を割り振って、 専科でやっています。(自分が理科、A先生が社会、 B先生が音楽&外国語、といった交換授業のような形で)
私のクラスは『学び合い』の理念で学習を進めていますが、 そうでないクラスでも、実施することができました。(もちろん、 理科の授業中に語りますが)
ルーブリックで基準がわかるから、取り組みやすいのだと思います。
【改善したいところ】
①ルーブリック
説明用のルーブリックを、学年に応じて作り変えたらよさそう。
例えば、5年生のときには、赤枠のように「条件制御」を基準に盛り込むなど↓↓↓
各学年で必要とされる考え方をうまく取りいれてルーブリックを作成し、子どもの成長に合わせてその都度改善したら、いいと思いました。(年間通して同じ基準って、ちょっと手抜きすぎましたね…反省)
また、考察用のルーブリックもいくつかパターンを作っておいて、学習内容によって使い分けるとよさそう。(比較した考察ができたら「S」とか、関係づけながら考察できたら「S」みたいな感じで)
②教科書通りの課題ではなく、もっと本質に迫る課題を
さっきの「よかったこと」と矛盾するのですが・・・
教科書通りのだと、 どうも深めきれない場面がありました。
誰にでも再現できる授業としてはよかったのですが、もっと子どもが生き生きと課題を解決するためには、「課題」で手を抜いたらいけないなーと感じました。
特に、今の自分に足りてないのは「課題づくり」なので、今年はちゃんと本質を見て、協働で達成できる課題づくりに挑戦していきたい!
そして、今年もこの実践をベースにして、ゆくゆくは理科で単元ぶち抜きの『学び合い』へと移行していきたい。