#15 ケンカの聞き取り 大人から子供へ
毎日たくさんの起こるケンカやトラブル。日々ピンチの連続ですね。みなさんはどうやって聞き取りをしているのだろう?
私は、4年ほど前、当時の通級の先生に「何か起きたときは、時系列でこうやって書いたらいいよ!」と教えていただいた方法で聞き取りをしています。
1.紙に、関係した人を書く
2.起こった出来事を聞き取りながら、時系列で書いていく
3.その時々に感じた気持ちを、雲の吹き出しで書いていく(青ペンの部分ですね)
4.全部聞き取って書き終わったあとで、「これ(特に自分の時系列の方)を見て、どう思う?」と聞いて、自分の行動を考えさせる。
5.「どんな自分になりたい?」や「今度からどんなことを気をつけたい?」と聞いて、その言葉を下に残しておく。(赤枠で囲っている部分ですね)
6.最後に「相手に何か伝えたいことある?」と聞く。
というような流れで聞き取りをするようにしています。
(ここに書かれた出来事はフィクションですが、よくありがちな出来事ですよね)
【この聞き取り方のいいところ】
・何が起こったか時系列で見やすいので、学年の先生への相談や管理職へ報告するときなどに、伝えやすい。
・一方の言い分だけを聞いて指導することが防げる。
・自分のした行動で、相手がどんな気持ちになるのかを知ることができる。
・感情を読み取ることが苦手な子にとっては感情を感じ取らせるトレーニングになる。また、自分の感情表現が苦手な子にとっては、自分の感情と向き合う機会ができる。
・1冊のノートに書いておけば、過去のケンカやトラブルを振り返ることができるので、指導の積み重ねが可能。
などが挙げられます。
ケンカやトラブルの聞き取り、基本的に「私」が行ってきました。この方法に出会ってからは、声を荒げて指導することが減ったように思います。
ところが、この前クラスの子供にハッとさせられました。
A「先生ー。またB君とケンカした。」
まるげり「そうなの?何があったん?(聞き取りノートを取り出して、聞き取る準備)」
A「先生!それ(聞き取りノート)出さなくていいです。こうこうこうで、・・・で、お互い悪かったところを言って、お互い謝って、もう解決してます。いちおう報告したほうがいいかなって思って。」
この4年間、自分が子供達の仲裁に入り、この聞き取り方を使ってケンカやトラブルを解決してきたけれど、それって、仲裁されてきた子達の成長の機会をうばっていたのではないか・・・と。(自分の仲裁の技術は上がりましたが)
この聞き取り方は、「私」がするのではなく、「子供」にさせることで、仲裁の経験を積ませた方がいいのではないかと。
そこで、こんなの作ってみました。使い方の説明をして、教室にたくさん置いておこうと思っています。
うまくいくかどうかはわかりませんが、9月からは、自分たちで解決する経験を少しでも積めるように支援していきたいと思います。少しでも「自立」できたらいいな。
ピンチはチャンス!!