#18 いきなり武道館でライブしないよね?
前回に引き続き、研修のあり方について書きます。今回は②全員強制参加の研修についてです。
前回の記事↓↓↓
全員強制参加の研修って本当に学びが得られるのでしょうか?
動員がかかる研修って必要なのでしょうか?
私の地域では、毎年強制参加の研修や、「うちの学校から10人出さないといけないんだよ」といったような動員がかかる研修があります。おそらくどこの地域でもあるのだと思います。
この「全員強制参加型の研修」や「動員がかかる研修」って、色々と問題点があると思うんです。
【研修を受ける側に生じる問題点】
△ モチベーションが上がらない → 学びのアンテナが低くなる。
△ 「この時間、 本読んでた方が学びが多かったなー」と感じてしまう。
【研修を開催する側に生じる問題点】
△ 大勢の人が来るため、主催者側はどこの層に焦点を当てて内容を考えたら良いのかが難しい。
→ 結果、 大部分の人のレベルには合わない内容になることが多い。
△ 全員強制参加 → 努力しなくても人が集まるので、「 学びの多い研修にしよう!」とか「 どうしたら次の研修にも来てもらえるかな?」 という気持ちが薄れる。 → 研修の質が低下する。
△ 動員がかけられる研修 → 動員がかけられていることを主催者が知らされていなければ、「 満員だったなぁ、いい内容だった!」 で満足して終わってしまう可能性も。
△ 毎年強制的に開かれるので、主催者側にも「やらされている感」 がうまれる。
これって、お互いにデメリットが多いように思うんです。
今行われている「全員強制参加型の研修」って、「 無名アーティストが武道館でライブする」 っていうぐらい無謀なことだと思います。
アーティストの人は、いきなり武道館でライブしないですよね?
地元のライブハウスからはじめて、 ファンの方が増えるとともに少し大きな会場でライブができるよう になり、「 これだけファンの方々いてくれたら武道館も満員になるはず!!」 っていう自信をつけて、はじめて武道館に挑戦すると思うんです。
研修も、最初は小さく始めて、それを支持する人が増えてから大きな会場で行うようになり、みんなが「この研修受けたい!!」ってなってから全員参加にするのが本来のあるべき姿だと思います。
でも、今の強制参加型の研修は、「 毎年武道館でライブすることは決まっているけど、 ライブするのは無名アーティスト。でも全席うめてね。」 というのに付き合わされてるように感じてしまいます。
この状況を打破するためには…
◯ 本当に行きたい研修にだけ行けるシステムにする
行きたくない研修に行かせるのではなくて、 自分の行きたい研修に行けるようにするべき。行かないという選択肢もあっていいと思います。(自分で本買って勉強したりするのであれば。)
そして、人気のない研修は淘汰されていくべき。
なんなら、研修は有料にしちゃってもいいと思います。 人に新たな知見を与えるって並大抵の努力ではできないことなので、 その分、主催者は報酬をもらっていいと思います。( もちろん、もらわなくてもいいのですが)
受ける側だって、無料の研修に無理やり行かされるぐらいなら、 有料で学びたい研修に行って学んだ方がよっぽどいいですよね?
(強制的にお金を払わされて無理やり行かされる某更新講習は、 一番あってはならない研修のあり方だと思います)
この、本当に行きたい研修にだけ行けるシステムは、苫野先生の言葉で言えば「この指止まれ」 方式の研修というそうです。(私の思っている研修のあり方の趣旨と違ったらごめんなさい。。。)ネーミングセンス抜群ですね!
ちなみに、オランダでは、 年間13万円ぐらい研究費が先生に支給されて、 自分が本当に参加したい研修を選んで学びに行けるそうです。素敵なシステムですよね♪
まあ、そうはいってもすぐには研修の制度は変えられないと思うので、100歩譲って全員強制参加の出張を開催するのであれば。。。
◯ 多くの支持者を集めている方が行う研修会にす る
全員強制参加で大勢の人が来る研修なら、これまでの研修会等で多くの支持者なりファンなりフォロワーなりを引き連れている 方の話を聞きたいです。武道館でライブできるアーティストレベルの話を。
多くのファンがいる方なら、 おそらく大勢の人にとっても学びになることがあるだろうし、仮に学びにならなくても、「なぜこの人が多くのファンを獲得しているのか」ということを分析することで新たな学びを得ることができるかもしれませんよね。
・・・全員強制参加の研修のあり方、変わってほしいですね。
(そして、この内容を書きながら、「研修」を「授業」に打ち換えると、自分の授業のあり方もしっかり考えないと子どもたちが不幸になってしまうなぁ・・・と身が引き締まりました。がんばろう。)